お誂え 本加賀友禅 振袖

一昨日、一つの仕事の区切りが付いたとご報告致しました。
同級生から昨年の9月の始めにお話しを頂き、
9月23日に金沢で友人の奥さんお嬢さん達と初顔合わせを致しました。
お好きな柄を選び、カラーアナリストの資格を持つ私が姉妹お二人共に似合う色を選んでその日は終了。
10月27日に2回目の打ち合わせ。
友人一家と共に今回お願いする作家さん、(石川県の重要無形文化財保持者)白坂幸蔵氏を訪ねました。
お嬢さんを白坂さんに会ってもらい、体つきから柄の高さや身幅の調整を、顔色などから地色の確認と差し色の微調整をお願い致しました。
この訪問にはもうひとつの狙い。
親子でこれから作ってもらう作家さんを訪ねることにより、この振袖と成人式の思い出をさらに特別な物に昇格させたかったから。
実際の所、有る中から選んでもらえるように誘導するのは簡単でしたが、今回はそうしませんでした。
もちろん時間的な余裕と資金的な余裕が無ければ出来ません。この振袖は彼のお母様が資金を提供してくれました。

彼には妹さんがいらっしゃいました。
彼のお母さんは娘の成人式を楽しみにしていたことでしょう。
しかしそれは敵いませんでした。
妹さんは成人式を迎えられなかったのです。
友人に女の子が生まれてからお母様はお金を貯め始めたそうです。
そしてそれはかなりの金額になりました。
そのご予算をお聞きした時にお誂えをやろうと思ったのです。

そして、染め上がったと知らせを受けたのが5月の末。
それを携えて、ご一家を訪ねたのが6月22日。
そこで帯・襦袢・小物を合わせました。

全て納品の準備が整って納めたのが9月23日。
ピッタリ1年。
奇しくも最初と終わりが秋分の日。お彼岸の中日でした。

とても不思議ですが、こんな事ってあるんですね。

この振袖の銘は「誰ヶ袖」

IMGP5650

前撮りをこの秋にするそうです。
楽しみです。

店主 花岡 隆三

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