帯屋捨松 作品展

今月私の大好きな機屋「帯屋捨松」さんの作品展を開催いたします。
着物好きの方ならよく耳にする機屋さんですね。
このような作品展の時によく社長さんをお呼びして講演会とか開くのですが、今回は御座いません。
社長の木村博之氏はよく存じ上げているのですが、とても真面目で大人しい方で、人前でおはなしすることをあまり好みません。
もちろん帯や製造工程のお話しをする時は熱心にお話しくださるのですが、講演会というと積極的になさらないようです。
無口ですが、百五十年の歴史を誇り当代で六代目。
この着物業界にとって厳しい環境の中で、確実にファンを増やし、安定した生産を続けていらっしゃいます。
私が見た捨松さんの良さをひと言で言うと「奥行き」。
一本一本の帯が見せる表情がとても多彩で豊かなのです。
それは例えば帯のデザインはもちろん、糸を紡ぎ染めも自社でやるとか、この時代にあっても図案を紋図に起こすのをパソコンは使わず手描きで行うとか、一色に見える色でも何色もの糸を紡ぎ合わせているとか、別段珍しくもない当たり前のことをきちんと丁寧にやっている結果なのだと思います。
この当たり前のことを続ける姿勢が今の時代とても貴重なのです。
今回の展示は、ゑり華が扱っている八寸帯・九寸帯を中心に、普段あまりお目に掛けることが無い袋帯まで、幅広く帯屋捨松のもの作りを見ていただこうという趣旨で開催いたします。
どなた様もお気軽にご覧頂きたくご案内いたします。〈花〉
「温故知新」
帯屋捨松の物創り展

六月十二日(金)~十五日(月)

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