真綿帯の会 開催中

真綿帯の会

日時 9月30日(金)10月1日(土)2日(日)3日(月)

場所 青山 ゑり華2階 ギャラリー「華」
 

真綿帯

ゑり華は、真綿の糸で織られたとてもユニークな帯を定番として扱っています。
地は質の良い真綿の柔らかい風合いを極力残し、柄の部分は不揃いで太目のやはり真綿の糸が、縦糸と横糸の間から顔を出しているような趣。この帯は、一見してハイテク化された工場生まれの製品とは明らかに違う「味」を放っています。
五年前のこと、京都の合同商談会に出掛けた折り、何気なく歩いていた私の目に、突然飛び込んできたこの帯。その帯は、今まで見たことのない形状をしているにもかかわらず、懐かしさをたたえていました。いったいどうやって織っているんだろう、さっぱり分からないものもありました。
先日この真綿帯を作っている機屋さんを見学させてくれる機会を得ました。実はこの帯を扱っている問屋さんの社員さんでさえ見ていないとのこと。願ってもないチャンスに「行きます!」と即答した私です。
当日、機屋さんの社長に配られた説明はとても面白い言葉が並んでいました。
〈心地よい自然複雑形状=コンテンポラリーきもの・私が楽しい日本のシンプルデザインきもの・素材(真綿糸を中心に)・染(自らが作る)・技(構造と風合い)・デザイン(法則をもデザイン)・高さ(立体形状)・未来(迎合ではなく創造)・精神(作る人の気持ち)・生き方(正義)〉
今の世の中で一本の帯が形になるまでに、ここまで想いを込めてもの作りをしている人たちがどれほどいるのだろうか。
また、ここまで社長の想いが強いと、作る人は大変と思いますが、「もの作りの中で、10%~15%は織る人の裁量に任せています。最後の最後のところで、織る人の個性やセンスが出なければ、機械で織ったものと一緒になってしまう。手織りの味はそこから出てくる。だから私は参加型にして、織る人に意欲と面白さを感じてもらっています。」
織っている方の口から「工夫・勉強・考えて」という言葉が自然と出てくる。結構なご高齢なのに意欲に満ちています。(最年長は79歳)
表向きの標語ではなく・精神・生き方まで大切にもの作りをしている機屋さんと出会えたこと、そしてゑり華は真っ先にそれを取り扱ってきたことに幸せを感じました。

おしゃれ通信2008年12月号 はなとりゅうより

 

 

 当社の帯作りの概念
Dot(点)からLine(線)、LineからPlane(面)、Planeから次世代の織物へと変化していく織物を創造しています。Dotの立体形状、Lineの立体形状、Planeの立体形状、その組み合わせによって様々な形を作ることが出来ます。人の手による作業でしか作ることの出来ない形状、自然のやさしさ、人のぬくもり等、地球や環境にやさしく、かつ最も適した織物を作っています。 完成品を見るだけでなく、織物の出来上がるまでの過程を見ていただいて、素材つくりから製織までの複雑な工程を実際に感じていただき、その感動を伝えていただければと思います。

藤田織物従業員一同
代表 藤田泰男

 

九寸名古屋帯 
3005アクアドットブロック 二号機(織人 箕浦修一)
基本型ーDot
紬糸のタテ糸にヨコ糸に真綿糸をノリ加工した糸を織り込んでいます。織り方は適度に透け感を出すために10の力に対して7~8の強さでヨコ糸を打ち込んでいます。
柄はドットですが柄の見え方としては、単純にヨコに糸を入れるのではなく、二号機今までのドットの形状に対して90度の角度に入れるのではなく45度の角度に入れています。(スクリュー状にしてドット自体のへこみを無くす為)ノリ加工も2種類のノリ加工を用います。
ノリ加工1 コンニャクノリ加工 カセ(束)のままではなく、1本ずつノリをつける、その為真綿糸なのに毛羽立ちが押さえられる。
ノリ加工2 フノリ加工 夏素材としての風合いを出すためにコンニャクノリの上からさらにフノリ加工をしている。

 

八寸名古屋帯
2001生皮苧ヌレヌキドット 三号機(織人 浅山重雄)三号機
基本型ーDot
タテは手紡糸の真綿糸で張力を強くして真綿糸に張りと光沢を持たせています。タテの糸でヨコ糸を挟み込むように織られている為、透かした感のある地になっています。
ヨコは生皮苧の自然素材としての特徴を出すために、精練などは行わずに油抜きだけして真夏材としての糸の味を出しています(ノリ等は使用していないので、復元性のある帯に出来上がっています。)
 

 

八寸名古屋帯
2065DNAワッフル44グラデーション 五号機(織人 米津茂)
五号機基本型ーLine
ワッフルをヒントに考案された二重構造の帯です。
その形状は平織りの組織の上に立体的に形状を作ります。ラインとラインの結合部分の均等な力配分と糸の分量(糸の引き具合、たるまし具合)によってグラデーション化することが出来ました。手織りの技術と織師の感性と設計者の思いが一致した作品です。

 

 

織る人が楽しい帯は 締めても楽しい

ゑり華のお客さまやメーカーさんにお願いして、この帯を締めた人の感想を集めてもらいました。そうしたところ、ものすごく面白いお話しがたくさん集まりました。
「軽くて締めやすい」なんて言うのは、この帯にとっては当たり前の褒め言葉。
この帯のエピソードはそんなもんじゃございませんでした。
それでは一部をご紹介しましょうね。

一緒に呼吸をする帯
時間に遅れそうになり急いで階段を上って待っている友人のもとにたどり着く。友人の隣に座った時、ふと感じた「帯が一緒に呼吸をしてくれている」感覚。
息が上がって大きめの呼吸をするたびに、帯が呼吸に合わせて伸び縮みしてくれます。まるで苦しくないように、長さを微調整しているかのようでした。
(非常に柔らかい真綿を素材とし、職歴60年の職人が手織りで織り上げることで、独特の可動域が存在しています。ベース地を織る際、職人自らが作った器具を用いることや、真綿素材の不揃いさによりこの不思議な感覚が得られるようです。)

ねんりん家のバームクーヘン
柔らかな中にきちんと適度な、自分がこれぐらいは欲しいと思う弾力性があってとても似ていると感じました。
(やはり手織りのものは手作りのものと共通するものがあるのでしょうか・・・。)

連れが必ず触ってきます
この帯を締めていくと友達によく褒められます。それと同時に必ずといっていいほど触られます。
(嘆きながらも笑顔でお話ししてくれました。出来れば手を洗ってからに・・・。)

困った時はまずこの帯を
コーディネートに困った時には、取り敢えずこの帯をのせてみます。色も柄も着物を邪魔しないので意外にスッとのってしまうのです。
(何にでも合うというよりは基準になる帯のようです。糸を染める時にも色見本は見ないで、染料を一滴入れるか入れないかの感覚で染めます。柄もシンプルなデザインになっているので着物を引き立ててくれるんですね。)

伝統工芸士の認定員が教えを乞う帯
賞や認定などをまったく気にしていない藤田社長。しかしながら「伝統工芸士」の認定ぐらいはとってもいいのではと、周囲のすすめもあって手続きをしました。
その時、認定員の方がこの帯を見て「どのように織っているのか教えてもらえないでしょうか?」と言われたそうです。

いかがでしたか、超ベテランの職人さんが、配置や色の組み合わせを考えながら、大好きな機に向かえる喜びをかみしめながら織る、暖かみ・温もりのある帯にまず触れてみませんか、本数限定のお買い得品もこの日のためにご用意致しました。