加賀友禅・中町博志先生の染帯

今回ご紹介させて頂くのは、加賀友禅の大家・中町博志先生の染帯です。
加賀友禅は実写的な草花模様を中心とした絵画調の柄が特徴ですが、
中町先生は伝統的なデザインにとらわれすぎず、常に着る人をイメージしながら、
伝統的な技法と現代的な模様を組み合わせ、斬新な独自の感性の作品を生み出していらっしゃる方です。
どんなに伝統的なものでも、古い時代に確立した模様とまったく同じようなものを作るのは今の人に失礼で、
現代の思いを着物に伝え、ひとりひとりの人間性を活かす着物を作っていきたいと思っていらっしゃるそうです。

これからの季節にご紹介したいのがこちら。
地色がなんともいえない奥深さのある鉛色の「黄菊」です。
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実はこちら、図案は中町先生のものなのですが、地色はゑり華で指定して染めていただいたオリジナル。
他では見ることのできない一品です。

菊の花のぼかしの部分も見事ですが、
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葉の部分の配色の斬新さ、効かせ色に、中町先生らしさが出ています。
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お太鼓にするとこのような感じになります。
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前柄は、関東巻きですとこちらの柄が
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関西巻きですとこちらの柄が出るように描かれています。
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もちろん、中町先生の落款もついております。
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税込価格294,000円で、お仕立上がり参考価格は312,900円となっております。
ぜひ店頭にてご覧下さい。
長寿の象徴であり、このように美しい菊の花。目の保養になって寿命が延びた気分になると思いますよ。

最後ですが、中町先生の略歴をご紹介しておきます。

昭和18年 富山県生まれ
18歳まで油絵を学び、友禅の道へ進む。
昭和41年 加賀友禅師 直江良三氏に師事
昭和63年 石川県指定無形文化財 加賀友禅技術保持者に認定(平成25年現在認定者は10名)
平成 7年 通産産業大臣認定「伝統工芸士」となる

(協)加賀染振興協会所属。日展入選10回等受賞多数。

お松

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