100%玉糸の紬

石川県の東南にある牛首紬の生産地である白山市白峰。
牛首紬は、昔、霊峰白峰の守護神「牛頭天王(ごずてんのう)」に由来して牛首村であったことからそう名づけられました。
そしてまた、類まれなる強度から釘をも抜ける「釘抜き紬」との別名を持ちます。

繭は通常1頭の蚕が作りですが、数%の割合で2頭の蚕が入っているものがありこれを「玉繭(たままゆ)」と言います。
玉繭は2頭の糸が複雑に絡み合っているため製糸が難しいのですが…
蚕は∞のような形に首を振りながら糸を吐いていき、その繰り返しで繭になります。
そうすると糸そのものがバネのようなウェーブがかかったものになるのです。
普通は機械ですくってぱぱっと製糸してしまう。つまり、その段階で力がかかりすぎてバネが伸びて真っ直ぐな糸になってしまいます。
例えば普通の絹100%の反物の端、こうなっていますよね。
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でも玉繭は手で取っていきます。ゆっくりにならざるをえません。必要以上の力もかかりません。バネが、残ります。だから強度も出るのです。
その糸を100%使って作っているのが加藤機業場さん。
反物の端は、驚きの、こうです!
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全然違いますよね?
黄檗で染めて、なんともいえない深みのある淡い梅鼠色の反物。399,000円です。
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玉糸は2本もの繊維がからみつくため所々に節ができてしまいます。つまり紬と絹織物の良さを兼ね備えているということ。美しく強く、肌になじみます。
そして、結城などお召しの方はご存知かもしれませんが、この紬も着ているうちに「毛玉」が出きます。
そしてその毛玉は自然と落ちて、生地に艶が出てくるのです。着れば着るほどに育つ着物。
着物を愛する心をくすぐる逸品です。

経済不況と戦争で一時はその生産は途絶えていましたが技術は保持されており、戦後しばらくして地場産業復興の為に再興し伝統指定工芸品になりました。
たくさんの場所で、さまざまな伝統工芸の継承が難しくなっている昨今。
この紬もぜひ後世に長く長く残ってほしいものです。

お松

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