「みをつくし料理帖」

今回ゑり華読書部からのご案内図書はこちらー!
高田郁さんの「みをつくし料理帖」シリーズです。
前回より着物店らしいものにしてみました(笑)

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北川景子さん主演で去年の夏にドラマ化されたのですが、あれはほんの一部。
物語は続き、今年の6月に8冊目が出たところで、なんとなく終わりに向かっているのかな?という感じ。

舞台は江戸。主人公の澪が住んでいるのは神田金沢町(現在の外神田3丁目あたり?)。
料理帖とあるように、澪は料理人です。
元は上方の生まれですが、水害で両親を亡くしたところを大阪の有名な料理屋の夫妻に拾われ、持ち前の味覚の良さと負けん気で腕を磨いていました。
けれどもよんどころない事情で江戸に来ることになります。
ご縁があって神田御台所町(外神田2丁目あたり?)の小さなお店で働き始めるのですが、上方との味の違い、食材の違い、風習の違いに色々ととまどい、苦しみ・・・それでも前を向いて、お客さんが笑顔になる料理を作ろう、と頑張るお話です。

澪の母親代わりのような大阪のご寮さん(女将さん)、澪の働くお店の旦那さん(その後店は現在の九段下辺りに移ります)、ご近所の家族、ふらっと時折現れる不思議な浪人、育ちのいい町医者、戯作者とその版元、大店のお嬢様。
ユニークで魅力的な登場人物が、物語に暖かく絡んできます。
そして生き別れになった幼なじみや、大阪から江戸で一旗揚げる為に上京したはずの若旦那の消息、その居場所。
涙なくしては読めないけれど、決して希望は失わない。
そして食欲もね!!

そう、そりゃあみんな面白くて優しくて(そうでない人ももちろんいるけど)いい話なんですよ。
着物好きとしては、お店に奉公に来ることになった少女がお下がりのかわいい単衣をもらうシーンや、お嬢様がぱっと華やかに登場したところ、
町医者の母君(案外お偉いお家なのです)の着物から髪型、その髪飾りのとたたずまいまで書き込んであるところなど、思わずどんなかしらこんなかしらと想像力をたくましくしてしまう場面だって満載な訳です。

が、しかし。シリーズの名に恥じぬ、美味しそうでお腹がすいて「ちょいとここで作っておくれよ!」と澪ちゃんにお願いしたくなる料理の数々ったらもう!たまりません!
ダイエット中の人は読むのやめておいたほうがいいかもよって言いたくなるくらいです。
でも健康的な食事の時代ですから問題ないか!うん!

例えば「う尽くし」。
澪が働いているお店に来るのはそんなに裕福ではない町人たち。
土用の丑の日はうなぎを食べると精がつく、とはいうものの江戸時代でもお値段のはるものでした。
お手頃だけれど精のつくものを食べて、そして粋な江戸っ子のお客さんたちに楽しんでもらえるものはなにかしら?
そこで町医者がくれたヒントは「う尽くし」。
うなぎを食べるといい、となったのは最近のこと、少し前までは丑にちなんで「う」のつくものを食べていたんですよ、と。
さて、澪は一体どんな「う尽くし」を出すのでしょう?そしてお客さんの反応はいかに?
ちなみに私も、このエピソードを読んでからはもっぱら土用はうなぎは添える程度の「う尽くし」です。
その他にも毎回、驚きや愛情がつまった素敵なお料理がたくさん。晩ご飯後には読めないわ〜

そんな食いしん坊な読者がたくさんいたのでしょう。
巻末にも少しずつレシピが載っていたのですが、去年「みをつくし献立帖」という本まで出ました。
買わずにはいられない!だってあれもあれもあれも食べてみたい!

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といいつつこれは普通のタコと胡瓜の酢の物に生姜を乗っけたものです。
でも、この料理の名前は「ありえねぇ」
さて、どうしてでしょう?
気になる方、美味しいもの大好きな方、食欲がわかなくて困っていらっしゃる方、時代物ファンの方、ちょっと心温まりたい方。
どうぞお手に取って読んでみてください。
1冊、また1冊と読むうちに、みおつくしの世界のとりこになること請け合いです!
あ〜澪ちゃんのお店に、行ってみたいなぁ

お松