お香で海の思い出を楽しむ。

今月のお香の会は盤物「拾貝香(しゅうばいこう)」。
「拾貝香」の舞台は伊勢の海。
このような盤が用意されました。18個の貝が用意されています。
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「伊勢の海の 清き渚に 潮間(しおがい)に なのりそや 摘まむ 貝や拾はむや 玉や拾はむや」という催馬楽からきています。
源氏物語の「明石の巻」で光源氏が歌う伊勢の海です。

香道、しかも古心流。お香というと源氏香程度の知識しかない私にはすべてが新鮮でした。
私のような方のためになるべく簡単に今回の流れを説明しますね。
盤に添って磯方、海方のチームに分かれ、お香を聞けた人が多いチームが貝を拾える、というちょっとゲーム的なもの。
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それぞれの方に貝のお名前がつきます。
お名前の配置にも心配りがあって、今日が初めての方は白貝さん、高知からいらした方には袖貝伝説から袖貝さん…
それぞれの貝の名前が書かれた札10枚が入った小箱が配られます。
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一、二、満潮(みちしお)、干潮(ひしお)という4種類の香りが準備されて、まず試香。
それぞれを順番にたいて、皆さん順番に聞いて香りを覚えます。皆さん真剣!
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3回ずつ聞くのがお作法。
そして本香。順不同に10包がたかれます。1炉ごとに答えを出して札筒に札を入れます。

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そう、先ほど配られた10枚の札の裏には、一、二、満潮、干潮と記されているのです。
そして順不動の10包は、一が四つ、二が四つ、満潮が一つ、干潮が一つ。
つまり…?一度しか出ない満潮、干潮の札を間違って使ってしまうと取り返しがつかない!
初めてのお客様は「ギャンブルですね…」とおっしゃいました。いやーまさに。

1炉ごとに筆者が札筒を開き、香元に答えを聞いて、皆さんの札と答え合わせをし、正解の数の差だけ貝を拾う。
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おおよそこんな感じで…とにかく香りを聞いて、海を、海辺を、貝を、夏の光を、そしてその思い出を楽しんでいただこうということです!

これが香元のお道具。綺麗ですね。初めて見るものばかりです。
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そして細いお箸の先のこの点、分かりますか?
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これが香木です!本当にこれで聞けるのか!?初めての私には結構な衝撃でした。
だって普段お香と言えばお線香なんだもの…(先生すみません)

今日のお客様は、磯方がさざえ貝さん、白貝さん、色貝さん、蛤貝さん。
海方が桜貝さん、簾貝さん、花貝さん、袖貝さん。
最大10名までで、今回使わなかったのは片貝と蜆貝でした。

試香を終え、本香に移り、筆者が香記(みなさんの成績)をつけていきます。
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結果はなんと貝の数も持ち(引き分け)、香記(正解の総合得点)も持ちでした!
みなさんで回してじっくり読みます。違うチームだった方同士も仲良くにこにこ。
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そして最後は香元の「香、満ちました」というご挨拶でお終いです。

今日の和菓子は勿論貝ですよ~
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先生が「貝を拾って歩いた道筋が見えるようですね」と言われた磯の風景を見ながら、
そして準備してくださった催馬楽の「伊勢の海」を聞きながら、みなさんでおしゃべりタイム。
幼い頃の思い出、大人になってからの海、今年この盤上で流してしまおうという海…

今回は初参加ながら八つお聞きになって大健闘の白貝さんに香記をプレゼントして、記念撮影。
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みなさまご参加ありがとうございました。
ちょっと興味が出てきたわ!というお客様、毎月開催しておりますので、ご都合のよろしい時にぜひご参加ください。
私もチャンスがあれば参加してみたいです♪(鼻には自信がないのですが…)

お松

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